リアルとバーチャルが融け合う夏 (1)VR学会編
どうも、ゆうのLv3です。
最近「リアルとバーチャルが融け合ってる事案」がたくさんありました。
ので、あれこれ備忘録っておこうと筆をとった次第。
本記事では2018年9月19~21日、東北大学で行われた第23回バーチャルリアリティ学会大会(懇親会含む)で見聞きしてきたことをば。
リアルとバーチャルが溶け合った事案2件
- リアル会場・バーチャル会場で同時に行われたギラギラ夏祭り
- オーガナイズドセッションに初めてVTuberが登壇
を紹介します。VR学会って何?とか、IVRCに関する情報は末尾に付録として書いておきました。
目次!
来たぜ仙台 行くぜVR学会
#VR学会 @東北大学
— ゆうのLv3 / Yuji Hatada (@yunoLv3) September 19, 2018
アバターと同じ格好できた pic.twitter.com/zdnUMSoI4n
Togetterによるまとめはこちら。
リアルとバーチャルの2会場同時開催の「ギラギラ夏祭り」
去年からVR学会の初日の夜には、若手VR研究者が大人の金で肉を喰らい・飲み・議論をする「ギラギラ夏祭り」が行われています。
ブロック肉が来る聞いていたが実際に見たのはブロック肉ではなかった。w pic.twitter.com/KfTMrMcuMX
— いっこう / ikkou (@ikkou) September 19, 2018
今年はアイバン・サザランドが世界初のVR Head Mounted Displayを発表してから50年目、HMD50周年という節目なんですね。
じゃあ流石に、今年もフィジカル会場だけで肉食ってるのはVR学会的にアレじゃない?
というわけで、なぜか僕と失禁研究会の亀岡くんで、VRChatにバーチャル会場を作りました。
ジャン!
<バーチャル会場アメニティ一覧>
- 綺麗な夜景(綺麗)
- バーチャル乾杯用のグラス(フィジカル会場では乾杯をやらずにディスカッションが始まるというバグがあった)
- ディスカッション用のホワイトボードと空中に書けるペン
- 気休め程度に用意された料理(投げれる)
- フィジカル会場の様子が中継されたYoutube Liveを見れるスクリーン(当日バグって動かなかった……)
VRChatのワールド作成初めてやったけど結構楽しかった。
(2-3日の突貫工事で作ってしまったので至らぬ点が多々ありました……)
今年のギラギラ夏祭りでは、各テーブルに分かれて「VR技術は、文化をどのようにアップデートするのか」というテーマをディスカッションしました。
選んでいる! #ギラ夏2018 pic.twitter.com/YWkgMVdX9N
— いっこう / ikkou (@ikkou) September 19, 2018
もちろんバーチャル会場でも同じことをします。
高級肉の煩悩が無い分、フィジカル会場よりクールに議論が行われていましたw
フィジカル会場から見るとこんな感じ。
あの人先生とも話してたんだけど、来年の #VR学会 はVR会場 #RoomV 作ろうぜ#VRSJ2018 #VRSJ2019 pic.twitter.com/sm0PmOoTgY
— Akihiko SHIRAI, Ph.D #TGS2018 (@o_ob) September 21, 2018
フィジカル肉とバーチャル肉の同時紹介。
そしてVRChat会場からフィジカル会場の皆さんに向けた発表もこの通り。
バーチャル会場(VRChat)でもアンカンファレンスで議論、発表できる!#ギラギラ夏祭り #girasummer2018 pic.twitter.com/D4fmaUKzt3
— H.Takatori (@Takatori_0703) September 19, 2018
#ギラ夏 #ギラギラ夏祭り VRChat会場からの写真投下してくよ~~~。といっても忙しくて全然取れなかった…。しかも最後に記念撮影し忘れた(´;ω;`)…
— T.Kameoka@触覚&失禁研究者VRSpaceで生きる方法を探る (@faruco10032) September 19, 2018
皆さん、もしスクショなど取ってましたらぜひ貼ってください~~ pic.twitter.com/WtC1daLJBn
反省など
バーチャル会場に来られた方からは、このような感想をいただきました。
VR会議は現実以上にファシリテータが重要だと感じた。
— morio🌭@10/2AR輪読会10/6HoloLensミートアップ10/13.NET conf (@morio36) September 19, 2018
「誰かか話したそうな雰囲気」「納得してない雰囲気」「話したそうな無言」「興味のない時の無言」
こういうのを空気で感じられない。
意識して人に話を振るなどしないといけない。
要エネルギー。#ギラ夏2018
現状のVRChatではまだまだ「この人喋りそう」とか気配では分からないんですよね。
発話タイミングがかぶっちゃったり、互いを見て無駄に間が空いてしまったりします。
今回は、ただ単にリアル会場とバーチャル会場で同時に議論をしていただけですが、
両会場でインタラクションをする試みもちらほら出てきています。
@mukaderabbit @Naoki_Kosaka_ さんご協力ありがとうございました。@FeelzenVr さん、VRCHATに「風」を導入する事に成功いたしました。@magi_ikuko @beet_lex さんお疲れ様でした! pic.twitter.com/zN2JGqefl8
— パーティクル蕎麦屋になってみたいタナベ (@sobatang1) September 9, 2018
VRChatの行動が、フィジカル会場のデバイスを動作させる例w(PCの画面に照度センサを貼り付けていますw)
触覚スーツで受けた触覚のうち、一番良かったのはキツネツキさん(@_kitsune_tsuki_ )の尻尾でした。
— 坪倉輝明@メディアアーティスト (@kohack_v) June 10, 2018
ふわふわの尻尾がお腹に当たると「ふわふわ」を感じるんですが、振動の強度は硬い物が当たった時と同じですが視覚の影響を受けてふわふわに感じます。
これをクロスモーダル知覚と言います。 #VRCas pic.twitter.com/x5ixCWS99R
触覚スーツを着て、VRChatの「触れ合い」をフィジカルな自分の身体にフィードバックしている人がいたり。
来年はもっともっとフィジカル会場とバーチャル会場を融合したいですね。
当日のフィジカル会場
当日のバーチャル会場(一部)
VRChat SDKをうまく使いこなせず、Youtube Liveの中継をバーチャル空間にできなかったのは心残りですが……。(徹夜してたのでその日の朝までは出来ていたし、悔しくて翌日もう一回やったらそこでも出来た。)
後日談:翌日もリアルとバーチャルが融け合う懇親会!
初日の夜はギラギラ夏祭りですが、二日目の夜は学会大会公式の懇親会がありました。
公式懇親会ではバーチャル会場を用意してなかったので、VRChatにつないだノートPCとWebカメラを持って歩き回る奴をやりました。
暦本研のカメレオンマスクのイメージ。
(出典)
VRChatには失禁研究会の亀岡くんがいて、僕が会う人会う人にPCの画面を見せては談笑させます。
(イメージ図)
そんなことをしてたら、VRChatにいる亀岡くんはワールドを移動して、別の友人に会いに行きます。
そこで出会ったのがなみたさん(Twitter)。なみたさんはVRChatで鑑賞できるパーティクルライブをアバターに実装しておりまして、その場で即席ライブを披露してくれました。
(ちょっとした動画)
https://photos.app.goo.gl/MvdJmKvQyAXzSrMT7
バーチャル世界からパーティクルライブをしてくれてる☺️
— はいえろ (@omeme_1231) September 20, 2018
それをリアル世界から宮城の地酒を呑みながらみてる!
#VR学会 pic.twitter.com/OeXax9RH1w
インターフェースがPCだったものの、フィジカル・バーチャル関係なくあちこちの世界にシームレスに行ったり来たりできる、というのはとてもドキドキする体験でした。
VR学会にVTuberの登壇!
VR学会大会2日目午前……。
一人発表者に魔界のティーンがいるぞ… #VR学会 #vrsj_ac2018 pic.twitter.com/U8RurxVHNZ
— なるみ (@narumin) September 20, 2018
魔都ヨハシトから来た魔界のカリスマ小学生、リリス・AH・リリーホワイトちゃん。
VRに関する造形がやたら深いと界隈で話題になっていたところ、VR学会のオーガナイズドセッション「超臨場感と拡張認知インターフェース」にVTuber名義そのままで登壇することに。
すごい人気だ@lilith2160 ちゃん。いよいよバーチャル登壇! #vrsj_ac2018 #VR学会 pic.twitter.com/bd5qLHkM7L
— なるみ (@narumin) September 20, 2018
VR学会のセッション1、2を争う人気ぶり。
当日のリリスさんの登壇部分は下記動画で見れます。
リリスさん @lilith2160 のプレゼン始まりました。部屋が満員御礼! #VR学会 pic.twitter.com/OtknnnFyJZ
— 櫻井 翔 (@typhoongirl) September 20, 2018
すぅっ… 「坪倉です」( @lilith2160 ちゃんが坪倉アバタに着替えた) #vrsj_ac2018 #VR学会 pic.twitter.com/PWiea7Cqi2
— なるみ (@narumin) September 20, 2018
まとめ
- フィジカルアバターがなくても、大体なんとかなる
自宅に居ながら、自分がありたいと望む自由な姿で、
学会に登壇もできれば懇親会に参加することもできる。
逆に現実(フィジカル会場)に居ながら、バーチャルワールドを通じて
全然その場に関係ない人にも会いに行けるし、即席でパフォーマンスもできる。
聞こえますか!パラダイムがシフトしていく音が!
付録
VR学会とは
1996年に設立したバーチャルリアリティに関する日本の学会。
- 論文誌の発行(アーカイブが無料公開されている)
- VR技術者認定試験という
- 資格試験を実施国際学生バーチャルリアリティコンテスト(IVRC)の主催
- 学会大会の開催
などなどをしています。VRについて学術的に体系化した本「バーチャルリアリティ学」を編集・作成したのもVR学会です。
- 作者: 舘暲,佐藤誠,廣瀬通孝,日本バーチャルリアリティ学会
- 出版社/メーカー: コロナ社
- 発売日: 2010/12/16
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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人類の各位におかれましては、「バーチャルリアリティとは」のページだけでも読んでおいてほしい。
VR学会大会
そんなVR学会は、毎年1回学会大会を催しています。2017年は徳島、2018年は宮城。
- VRに関する論文の発表
- オーガナイズドセッション(OS)
- 特別公演
- 技術芸術展示・企業展示
- 懇親会
などが行われます。プログラム見ると、結構面白そうでしょ?アカデミアでない一般の人でも、十分有意義に参加できるセッションもたくさんあります。
来年の第24回日本バーチャルリアリティ学会大会は,2019年9月11日(水)から13日(金),東京大学本郷キャンパスにて開催いたします。
— 苗村健 (@naemura) September 20, 2018
ここにIVRCコンテスト,ギラギラ夏祭も盛り込みつつ,国際会議であるICATも同時開催します。
ということで,テーマは運営の効率化になりそうです。
IVRC 国際学生バーチャルリアリティコンテスト
特に今年は、IVRCの予選大会が同じ会場で行われていたので、体験しきれないほど数多くのコンテンツが会場内に並んでいました。
出血体験
東京工業大学工学院情報通信系 出血研究会による「出血体験」はサーマグリル錯覚を用いたVR体験、人間の感覚がいかに視覚に依っているか分かるやつ、思わず声が出てしまった。w #IVRC pic.twitter.com/ganQLPR6ry
— いっこう / ikkou (@ikkou) September 19, 2018
温覚と冷覚を一定間隔で交互に並べて同時に提示してやると、火傷を負ったかのような痛みや灼熱感・不快感が生じるサーマルグリル錯覚。狼に腕を噛まれた時の痛みや出血を再現しています。
去年は腕がゴムのように伸びる体験「ゴムゴムのシューティング」を輩出してる、東工大長谷川研究室の学生さんらによる作品。
脳内に植物が根を張る感覚
にんにんラボによる「ブレインツリー」では、頭に植物が生えていく感覚を味わうことができます🌳
— IVRC 国際学生対抗VRコンテスト (@IVRC) September 20, 2018
根っこが生えてくるの、気持ちよいもんですね〜
頭の植物の作り込みが💯🙆
#IVRC #明治大学 pic.twitter.com/Szn6evKsXf
個人的にめっちゃ好きでした。芸が細かく作られた植木鉢帽子を被って体験スタート。頭皮マッサージ(?)に使うアレや、水を流して冷覚を提示するためのチューブなどが中に仕込まれていました。徐々に脳を侵食される感じがたまりません。
耳トンネルも輩出している明治大学の学生さんらがやってました。
エサになって喰われる
#IVRC 即時ツイートできていなかったシリーズ。
— いっこう / ikkou (@ikkou) September 19, 2018
東北大学 Fishers による「Be Bait! 〜求めよ, さらば食べられん〜」体験のために必死に脚を左右にいい感じに振っている様子です。オペレーションがなかなか大変そうだった。 pic.twitter.com/zx67rKBX7B
鼻が伸びる
慶應義塾大学大学院 しゅわっと「ピノーズ」は全力で @04_Suzuki_ くんに是非見てもらいたい Oculus Go + シリアル通信を用いた面白VRコンテンツの事例、匂いデバイスとして有名な VAQSO を使わずに匂いを感じさせるやり方にも注目:p #IVRC pic.twitter.com/Q0stiRj2uk
— いっこう / ikkou (@ikkou) September 19, 2018
一人なのに二人で足湯に入っている感覚……
なぜか運営に使われた僕の写真……寂しい人みたいになってる……。
1人で足湯に入るの、寂しいですよね?
— IVRC 国際学生対抗VRコンテスト (@IVRC) September 20, 2018
そんなあなたに、足湯同好会による「孤独をFoot Bath」があります
女の子と足湯に入ることが出来るので、もう1人の足湯にはおさらばです!
孤独を、フットバス!!♨️♨️😀👱🏻♀️#IVRC #電気通信大学 pic.twitter.com/7rbrdz1zZa
ここで取り上げたものはどれも予選を通過して決勝大会に出場します。
決勝大会は11月14日-16日@幕張メッセ with デジタルコンテンツEXPOです。
付録 VRChatとは?
VRのソーシャルサービスといえば、マイクロソフトに買収された『Altspace』、Oculusが出している最強に手軽な『Oculus Rooms』や『Facebook Spaces』、PSVRでもできる『Rec Room』、PC画面の共有ができる『Bigscreen』や登壇形式のイベントにぴったりの『cluster』など、色々あります。
VRChatの魅力
そんな中にあって、VRChatの大きな魅力は「ユーザがカスタマイズできる要素が多い!」という点。
とってもいい動画を見つけました。VRChatの魅力が伝わってきます。
VRChatに来て半年くらい、その映像記録的なものです
— とんこつ (@subbrain) September 24, 2018
たくさんの人を撮らせて頂きました、ほんとうにありがとうございます~
◇キツネツキさん式の櫻歌ミコ(改変)がいらっしゃいます#VRChat pic.twitter.com/34uYLOdNpc
自作アバター
例えばBlenderなどの3DCGソフトを使って、自分のアバターを自分で作ることができたり
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『VRChat』で自作アバターを使うには? 導入方法まとめ | Mogura VR - 国内外のVR/AR/MR最新情報
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まるで異世界転生 『VRChat』に3Dスキャンした自分を召喚 | Mogura VR - 国内外のVR/AR/MR最新情報
自作スキル
アバターにエフェクトを仕込むことで、こんなライブを実現する猛者も現れています。
VRCに入り込んでから一か月、ライブのようなものを作って遊んでます。見つけたら声掛けてください(^^♪基本エネちゃんかミクです。#VRChat始めました #VRChat #VRチャット pic.twitter.com/yPUw3EgEBu
— なみたさん (@namita0819) May 9, 2018
VRChatでライブのようなもの作っています(´-`).。oO#vrchatはじめました #vrchat始めました #VRChat #パーティクルライブ pic.twitter.com/Y4FL3xuPbH
— yorimiya57@バチャフェス最高 (@jav6868) June 24, 2018
自作ワールド
Unityを使って自分でワールドを作れたり、そこに好きなギミックを実装したり
その自由度の高さは、ユーザ・ジェネレーテッド・コンテンツ(ユーザがそのプラットフォームの上で、自分たちで好き勝手にコンテンツを生み出していく)を地でゆくもの。
これまで行われてきたイベント
既に現実と見まごう激アツなイベントが、VRChatでたくさん催されてきました。
- 3Dモデルをバーチャル空間の中で売る(試着もできる)バーチャルマーケット
“VRコミケ”ここにあり 熱気溢れる「バーチャルマーケット」現地レポ | Mogura VR - 国内外のVR/AR/MR最新情報
- バーチャル空間でやる音楽と光と花火のフェス!「バチャフェス」(次回の記事で書きます)
- 花火大会!!!
- 落語
開催場所はVRChat、プロの噺家とVTuberが披露した「VR落語会」 | Mogura VR - 国内外のVR/AR/MR最新情報
- 勉強会